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ガラパゴスは悪なのか?ドラゴンクエストとガラケー

2021年5月28日 09:58 リンクの埋め込み方を間違えていた部分を修正 (ファミ通のスクウェア・エニックス HD 決算情報記事)

「ドラゴンクエスト」35周年記念特番で見たコメント

35周年おめでとうございます!!!(2回目)
前回のエントリにて、2021年5月27日、「ドラゴンクエスト」35周年記念特番が配信された件と個人的に気になる発表内容について記した。 この特番において、 ドラゴンクエストは海外では売れていないというコメントを見た。

そんなこと誰でも知ってるよ!

では、
『ファイナルファンタジー』が売れてるはずなのに、XV の DLC が中止になったのはなんで?

『ファイナルファンタジーXV』DLC 中止

とりあえず DLC 中止のゴタゴタについて検索すると、以下に詳しかった。

要は『FF15』に絡む全てを開発中止したことで、今後ルミナスエンジンを使う見込みがなくなったため、「中止分に掛かった開発費(宣伝費)」+「無形固定資産であるルミナスエンジンの減損費用」=37億円ということです。

わーお!この37億円で何本分の利益が吹っ飛んだのか計算してみたくなった。

ゲーム会社の利益構造

ここで、ソフト1本売れたら、ゲーム会社 (デベロッパーとパブリッシャーに分けるの面倒なので、ざっくり「ゲーム会社」) にどれだけ入るかを調べてみた。ダウンロード版の方がゲーム会社が儲かりやすいのは分かる。流通やら小売にもお仕事をしてもらう必要があるからだ。

www.ycg-advisory.jp

家庭用のゲームソフトウェアの場合、作品によって幅はあるが、ゲームソフトウェアの小売価格のうち、流通マージンが約25%、ロイヤルティと製造費が約15%、広告宣伝費などの販売管理費が10%、残りの50%が粗利益という構成が標準的である。

ソフト1本8,000円として、その50%は4,000円である。 ダウンロード版はもうちょっと利益率が高そう (70%くらい?スマホのアプリストアではそんなもん) なので、ソフト1本が売れたとき5,000円儲かるとする。

37億円の損失が出たということは、74万本分の利益が吹っ飛んだということと同じように見ることができるのでは?

『ファイナルファンタジーXV』と『ドラゴンクエストXI』の全世界売り上げ本数

まずは『ファイナルファンタジーXV』の全世界売り上げ本数を調べてみよう。 以下はスクウェア・エニックスの公式ページ。 www.jp.square-enix.com 「全世界840万本」の記述がある。

『ドラゴンクエストXI』はどうなんだろう。 以下はスクウェア・エニックスの公式ページ。

www.jp.square-enix.com

「全世界累計出荷・ダウンロード販売本数600万本突破」の記述がある。

販売本数としては、『ファイナルファンタジーXV』が勝っているし、もしかしたらさらにダウンロード版も加わって差が開くのかもしれないが。

発売年度の決算情報

それぞれのタイトルの発売年度の決算情報も調べてみた。

www.famitsu.com

ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント事業の売上高は1990億1600万円(前年同期比25.2%増)、営業利益は333億1000万円(前年同期比21.3%増)。家庭用ゲーム機向けタイトルにおいて、『ファイナルファンタジーXV』やPS4版『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』など、複数の大型新作を発売したほか、過去に発売したタイトルのダウンロード販売なども好調だったため、売上高・営業利益とも前年同期よりも大幅に増加した。

www.famitsu.com

ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント事業の売上高は1914億6900万円(前年同期比3.8%減)、営業利益は434億2100万円(前年同期比30.4%増)。家庭用ゲーム機向けタイトルにおいて、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』や『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』を発売したものの、大型新作タイトル数が前期よりも少なかったことから、前期比で減収となった。

2017年3月期と2018年3月期の決算内容から、 売上高は『ファイナルファンタジーXV』発売年度の方が多いが、営業利益は『ドラゴンクエストXI』発売年度の方が多いことが分かる。IR プレゼンテーション資料を細かく読んだら何か発見があるかも。

タイトル別の利益率の違いを見てみたいが、流石にそれは教えてくれない。 「ドラゴンクエストシリーズは開発費がかかってない割に売れてるんですよ、コスパいいんですよ」とか誰か発言してほしい。 『ファイナルファンタジーXV』比で開発費が7, 8割以下なら利益自体は多い気がする。ざくっと計算の極みで申し訳ない。

まあ、シリーズが続くということは赤字ではないのは確実だろう。
というか、正直ダブルスコア、トリプルスコアくらいの差があるのかと思ってた。海外でもまあまあ売れてるやん。
3DS, Switch, PS4, PC というマルチプラットフォーム展開がまずいのか?あと、2D と 3D で2倍の労力やったらそれに見合わない可能性もあるなこれ……。

ガラケーに近寄ってくるスマホ

急に話題が変わって、ガラパゴスケータイ化するスマホについて。
最近のスマホは以下のような特徴を持っているものが増えてきた。

  • 折り畳み: フォルダブルスマホが出てきた
  • カメラ特化: スマホが伸ばせるところが無くなってきたんだろうな。世界初のカメラ付き携帯電話は日本発
  • 防水仕様: Galaxy も iPhone も Pixelも、OnePlus も OPPO も Xiaomi も防水端末を出している (全機種が防水とは言っていない)。
  • FeliCa: Apple Pay, Google Pay で Apple も Google も 乗っかった

時代の最先端を行き過ぎていたのでは?
ガラケー用にネットワークもサービスも閉じていたわけで、これには FAANG+M もびっくり!
ガラケー時代の昔とスマホ時代の今で何が違うかと考えると、国内メーカが減りに減った点か。

ガラパゴス文化を世界に向けて売るようになったスクウェア・エニックス vs. ガラパゴス文化が海外メーカやプラットフォーマーに取り込まれた携帯電話

ガラパゴスはそんなに悪ではないのでは?