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『ノーコン・キッド ~ぼくらのゲーム史~』を観た

本記事はネタバレを含みます

Netflix で『ノーコン・キッド ~ぼくらのゲーム史~』を観た。 ただ、配信期間が2021年6月11日までとなっている点に注意。

2013年に放送されたテレビ東京のドラマで、1980年代から2013年までゲームとともに歩んだ男女3人の物語となっている。

主演は田中圭さん、波瑠さん、浜野謙太さん
全員、15歳くらいから45歳くらいまでを自分だけで演じきっているのが凄い。

田中圭さんはこのドラマが単独初主演だったらしい。 あと、波瑠さんのドラゴンクエスト ユアストーリーでの抜擢はこれがきっかけ……?まあ、そう信じておく。

良かった点

5話くらいまでめちゃくちゃ面白かった。

ゲームセンターの栄枯盛衰や家庭用ゲーム機の黄金時代など、歴史上の話でしか聞いたことのないものを目にすることができた。 前者については、まず風営法。 風営法について少しでも語られるドラマがあるとは思わなかったため非常に驚いた。

ついでに、新型コロナウイルス感染症の拡大において夜の街が槍玉に挙げられていたのをしみじみと思い出した。 私個人としては、風営法の改正によって遊技機に関する改悪が続いていることが非常に残念である。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)は、それこそ性風俗や照度10ルクス以下の飲食店(ライブハウスもこれに該当)だけでなく、ゲームセンターに雀荘、そしてパチンコ・パチスロなどのことが書かれています。日本は、一部の公営ギャンブルを除いて賭博(一時の遊興は除く)は禁止されています。パチンコ・パチスロは遊技。その遊技の枠を逸脱しないよう細かく規定されています。

とはいえ、法律の名称が“業務の適正化”となっているように、基本的には営業するお店に関することがメインです。パチンコ・パチスロの細かい部分は、別表という形で記載されています。別表にはどんなものがあるか、見てみましょう。

5号機時代は一種の抜け穴によってシミュレーションは何の意味もなさなかったように思うが、ガチで数字に基づいて行動しているのは政治家でも官僚でもなく遊技機メーカと技術者だと思う今日この頃。

ゲームセンターも遊技機ホールも客足が減ったと言われるようになって久しいが、2020年4月1日からこれらの施設について全面禁煙になったことはユーザにとって大きいことではないだろうか。復興を願う……。

ドラマの話に戻り、印象に残った (というか、ストーリー的に力を入れていた) のが以下のような作品とのコラボ (?)

  • パックマン
  • ドラゴンクエスト
  • スーパーマリオブラザーズ
  • True Love Story

特にドラゴンクエストに関しては、最近35周年記念の配信を見たこと、ドラマ内での配役?演出?がどえらいこともあってテンションが上がった。

モヤモヤが残った点 (ネタバレあり)

一言で言うと「尻すぼみ」

先の箇条書きで言うと、スーパーマリオブラザーズ辺りから雲行きが怪しくなった気がする。

ゲームと現実をリンクさせすぎて、現実側の演出があり得ない方向に引っ張られすぎている。 また、核心部分が薄すぎるという点もモヤモヤが残った。 ゲーム部分と昔話に焦点を当てるのは当然だが、現代 (2013年) の話、出来事が疎かになっていた気がするためだ。 これについては以下のツッコミをしたくてしょうがなかった。

クリック、タップしてネタバレとツッコミを展開 人工知能は流石に急すぎるし、世界中の個人情報集めるってシステムとして現実味が無い上にヤバすぎるだろと……。
以下のような感じだったら違和感も出なかったのでは?

  1. 研究所に籠った木戸が一人で作った画期的なシステム (人との繋がりを重視していたので SNS とか?) やらゲームがあり、これをガンプと呼んでいた。このガンプで M.A.R.S. 社は大成功
  2. 一方、共同代表の野々村はクリエイターとしては鳴かず飛ばずで木戸を憎み、存在が邪魔になる
  3. 木戸の存在を消して自分が主導でガンプを使った商売をしようにも、ゼビウスを用いたロックがかけられシステム内部は誰も触れない
  4. 以下、この作品の本筋と同じ

中盤以降、礼治の感情の起伏がよく分からなかったり、あまりにも金に執着していたりして共感するのが難しい部分があった。 そのせいで作品全体が少し悪く見えてしまったところもあると思う。

というか、なんで礼治をこんな救いようのないクズに仕立てたんやろ。

あと、5話終了時点で予想と全然違っていて、そういう人生もあるのかな……と考えるに至った。